屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

今村昌弘

出版社:東京創元社 出版年月日:2017/10/12

東京創元社 | 2017/10/12

4.33
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

ミステリ好きの友人に勧められて手にとった一冊です。大学のミステリ愛好会が舞台というのも、なんだか親近感がわきました。 本格ミステリと奇想の融合という触れ込みは確かに。密室での連続殺人という王道的な設定に、ちょっと変わった仕掛けが組み込まれています。その組み合わせ自体は面白いし、著者の工夫も感じられます。 ただ、正直なところ、物語全体として「これだ!」という強い引き込まれ感が足りなかったというか。登場人物たちのキャラクターも悪くないんですけど、もう少し掘り下げがあると良かったなと思います。謎解きのトリックも、びっくり仰天というわけではなく、「ああ、そういう仕掛けか」くらいの感覚で。 読んでいて不快になるわけではないし、最後までページをめくる気力も続きます。ただ、読み終わった後に「面白かった!」という満足感より、「まあまあだったね」という印象が残るんです。ミステリ初心者には十分楽しめる一冊だと思いますが、がっつりハマる層には物足りないかもしれません。

感想

久しぶりに一気読みさせられた。『屍人荘の殺人』は、本格ミステリの骨太さと、奇想ともいえる設定が見事に調和した傑作だ。 舞台となる紫静荘での連続殺人事件は、単なる推理小説の枠を超えている。肝試しから始まる日常の延長線上で、次々と起こる惨劇。その非日常性の描き方が絶妙だ。葉村、明智、比留子といったキャラクターも魅力的で、それぞれの立場から事件に向き合う姿勢が読んでいて心を掴む。 教員という仕事をしていると、生徒の前では理性的であることが求められるが、この本を読んでいる時間は、その制約から解放されて純粋に物語の謎に没頭できた。犯人は誰か、どうやってこんなことが可能なのか、という問いが止まらない。 終盤の仕掛けはさすがだ。奇想と本格というふたつの要素が衝突し、融合し、最後には見事に着地する。読み終わった時の満足感は格別。ミステリ好きなら間違いなく楽しめる一冊だ。

感想

話題になっていたので思わず手に取りました。正直、ここまで面白いとは思いませんでした。 舞台となる紫静荘に閉じ込められた大学生たちが次々と殺されていく——設定だけ聞くと「ありがちかな」と思っていたんです。ところが読み進めると、その"ありがち"の枠を大きく超えてくる。作者の奇想天外な発想に何度も驚かされました。 特に印象的だったのは、ミステリとしての構成の巧みさです。伏線が完璧に張られていて、終盤の種明かしで「あ、そういうことだったのか!」と何度も唸ってしまいました。登場人物たちも個性的で、疑いの目が向かうターゲットが次々と変わっていく緊張感を最後まで保つことができています。 公務員という仕事柄、論理的な推理の流れをしっかり追えるミステリが好きなのですが、この作品はその期待を完全に満たしてくれました。同時に、単なる理屈っぽさに陥らず、人物描写や絶望感もしっかり描かれている。だからこそ、物語に引き込まれるんだと思います。今年読んだ本の中でも一番の収穫。周囲にも勧めたくなる一冊です。

感想

最初は「本格ミステリ」と「ホラー」の組み合わせに少し不安がありました。でも読み始めたらその懸念は杞憂で、むしろ両者が見事に調和しているんです。 舞台となる屍人荘という設定が独創的で、その設定こそがミステリのトリックに深く関わっている構成の巧さに感服しました。登場人物も個性的で、特に明智恭介というキャラクターは一癖あって魅力的。葉村との関係性も読んでいて楽しい。 何より驚いたのは、物語が進むにつれて次々と明かされていく真実の連鎖です。一見荒唐無稽に思える設定も、最後には完璧に説明される論理的な構築。このバランスの取り方は本当に見事だと思います。 ページをめくる手が止まらなくなってしまい、仕事が終わった後つい深夜までいっきに読んでしまいました。会社員として忙しい日常の中でも、こんなに没入できる本に出会えるのは貴重です。ミステリ好きならもちろん、ちょっと変わった冒険を求めている人にもぜひ手に取ってほしい一冊です。

感想

久しぶりに一気読みしてしまった。最近の話題作ということで手に取ったのだが、これは期待値を大きく上回る傑作だ。 舞台は曰くつきの屋敷での連続殺人。設定だけ聞くと古典的なクローズドサークルものだが、ここからの展開が本当に秀逸。冒頭の奇想的なシチュエーション設定から、読者は次々と予想外の方向へ導かれていく。第27回鮎川哲也賞受賞作というのも納得だ。 葉村、明智、比留子という大学生探偵たちのキャラクターも立っており、彼らの推理の応酬が心地よい緊張感を生み出している。本格ミステリとしての仕掛けも見事で、読了後に「ああ、なるほど!」と膝を打つ瞬間の快感がある。 ここ数年、推理小説の新作にあまり満足できていなかった自分にとって、この作品は本当に久しぶりの大当たり。話題作というのも伊達ではない。五十代の身でも若い世代の視点を新鮮に感じさせられた。同年代の方にも、若い世代にも強くお勧めしたい一冊だ。

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