偽りの神子は竜帝の番

偽りの神子は竜帝の番

はなのみやこ / 蓮川 愛

出版社:幻冬舎コミックス 出版年月日:2026/03/30

幻冬舎コミックス | 2026/03/30

4.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

ファンタジー小説って、たまに本当に素敵な出会いがあるんですよね。この作品もそのひとつでした。 双子の兄弟という設定だけで既に面白そうなのに、ずっと「選ばれない方」として生きてきた主人公が、異世界でも同じように比較されるという構図。その悔しさや葛藤が丁寧に描かれていて、読んでいて心が痛くなるほどでした。でもそこからの話の運び方が秀逸なんです。 敵国の竜帝との関係性が本当に魅力的。ファンタジーにありがちな「選ばれし者」みたいなご都合主義じゃなくて、主人公が少しずつ自分の価値を見つけていく過程が素直に応援したくなる。異世界という舞台ながらも、人間関係や信頼についての普遍的なテーマが貫かれているのが良いなって思いました。 仕事の疲れで帰宅した夜、ついつい徹夜してしまったくらい一気読みしてしまいました。公務員の日常は結構地味なので、こういう冒険ファンタジーに浸る時間って本当に大切だなと感じます。ぜひ続きが読みたい、そんな一冊です。

感想

ファンタジー小説というと、勧善懲悪の単純な物語を想像していたのだが、この作品はなかなか深い。双子の弟との比較で常に「選ばれない側」だった主人公が、異世界でも同じ立場に置かれるという設定が秀逸だ。自分より優秀だと思われている相手との関係性が、単なる兄弟喧嘩では済まない複雑さを持っている。 何より興味深いのは、敵だと教えられていた竜帝が主人公の支えになるという構図。権力者との関係が、単なる主従関係ではなく、相互に必要とする者同士の絆へと変わっていく過程が緻密に描かれている。仕事で部下や同僚との関係を築く経験があると、こういう人間関係の機微がじつに説得力を持って響く。 テンポよく読め、キャラクターも立っており、適度に予想を裏切る展開がある。つまらない休日の午後に手に取っても、忙しい平日の寝る前に読んでも楽しめる。管理職として部下指導の参考になるわけではないが、人間関係の複雑さについて改めて考えさせてくれる良作だ。

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