羊と鋼の森

羊と鋼の森

宮下 奈都

出版社:文藝春秋 出版年月日:2018/02/09

文藝春秋 | 2018/02/09

2.75
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

話題の本屋大賞受賞作ということで、期待を持って読み始めました。ピアノ調律という地味だけど奥深い職人仕事を題材にした作品で、確かに独特の世界観を持っていますね。 ただ、正直なところ、私の心がグッと掴まれるほどではありませんでした。登場人物たちとの交流シーンは丁寧に描かれていて、好感は持てます。でも、その温かさだけで突き進む物語に、もう少し深みや葛藤の描写があったら、さらに引き込まれたのではないかなと感じます。 働き盛りの私たちの世代としては、主人公が淡々と前に進む姿勢には共感できる部分もあります。一方で、職業を通じた自己実現というテーマは、新しくはない印象も受けました。 映画化されるほどの作品だからこそ、スクリーンで見たら、また違った感動があるかもしれません。著者の静謐な筆致は確かに上手いのですが、小説としては、もう一段階の何かが欲しかったというのが率直な感想です。良い本ですが、特別な一冊とまでは言えないかな、というところでしょうか。

感想

本屋大賞受賞作との評判を聞いていたので、期待を持って読み始めました。ピアノ調律という地味ながら奥深い世界を舞台に、主人公が成長していく過程を丁寧に描いた作品です。 確かに文章は洗練されていて、音への向き合い方や人間関係の描き方に温かみがあります。調律という職人の世界観も新鮮でした。ただ、正直なところ、物語として大きな転機や劇的な展開がなく、読んでいて静かすぎるのかなという印象も受けました。 読了後、「いい話だった」という穏やかな満足感は得られます。ただ、心が揺さぶられるような感動体験を期待していた身としては、少し物足りなさが残りました。新社会人の今だからこそ、もう少し主人公の葛藤や挫折をより深く掘り下げた展開があれば、さらに響いたのではないかと思います。 誰かの推薦で読む価値はある作品ですが、自分で選ぶなら他の選択肢も検討する、といったところでしょうか。決して外れではありませんが、期待値の設定が大切な一冊です。

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