同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て

逢坂 冬馬

出版社:早川書房 出版年月日:2021/11/17

早川書房 | 2021/11/17

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

アガサ・クリスティー賞受賞というフレーズに惹かれて手に取った作品です。第二次世界大戦を背景にした女性狙撃手の復讐譚ということで、期待して読み始めました。 正直なところ、期待と現実のズレが感じられました。歴史冒険小説としての娯楽性と文学的な深さのバランスが、私の好みとは合わなかったのです。主人公セラフィマのキャラクターは魅力的で、彼女の心情描写も丁寧ですが、物語全体の展開が予想の範囲内に収まってしまう印象を受けました。 戦場描写は緊迫感があり、歴史的背景も適切に盛り込まれています。ただ、復讐という大きなテーマを掲げながら、その内面的な葛藤の掘り下げが十分とは言えません。会社員として忙しい日常の中で読む本としては、没入感に欠けてしまったのが残念です。 決して悪い作品ではありませんが、わざわざ探してまで読む必要があるかと問われると、慎重な判断を迫られます。類似の歴史冒険小説が多い中で、これが特別に優れているとは感じられませんでした。

感想

話題の『同志少女よ、敵を撃て』をようやく読み終えた。アガサ・クリスティー賞受賞作だそうで、本屋でも目立つところに積み重ねられていたからな。 第二次世界大戦の独ソ戦を舞台にした小説だ。狩りの腕前を持つ少女セラフィマが、家族を失った悔しさから狙撃手として戦地へ向かう。人間ドラマとしての深さはもちろん、史実と創作がうまく織り交ぜられていて引き込まれた。 何より感心したのは、若い女性兵士たちの葛藤や友情が、実に生々しく描かれていることだ。題材は重いが、押しつけがましくない。むしろ淡々とした語り口だからこそ、響いてくるものがある。八十年も生きていると、戦争の時代も知識として持っているが、こうした物語を通じて改めて考えさせられることがある。 昨今の話題作の中でも、これは確かに読む価値のある一冊だ。人生経験が豊かな読者ほど、より多くの味わいが得られるような気がしてならない。

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