木製の王子 新装版

木製の王子 新装版

麻耶 雄嵩

出版社:講談社 出版年月日:2026/02/13

講談社 | 2026/02/13

4.20
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

麻耶雄嗣のミステリは相変わらず凄い。仕事で頭を使った疲れた夜に、さらに脳をフル回転させるこの本を手に取るのは、ある種の中毒性があるのかもしれません。 比叡山麓の白樫家で起きた殺人事件——舞台設定からして独特の空気感があります。生首をピアノに飾るという異常な犯行、全員に完璧なアリバイがあるという古典的でありながら現代的な謎解き。ページをめくる手が止まりません。 何が素晴らしいかというと、ロジックの切れ味です。登場人物それぞれが持つ分単位のアリバイが交差する様は、まるで複雑な経営判断を迫られるような緊張感。管理職の身としては、こういう綿密な論理構成には思わず唸ってしまいます。 新装版ということで再読になるかもしれませんが、改めて読むと新しい発見もあります。ミステリ好きなら必読の一冊。疲れた時こそ、こういう思考系のミステリで頭をリフレッシュするのも良いかもしれません。

感想

仕事の帰りの電車で一気読みしました。比叡山麓の奇妙な屋敷での密室殺人事件、というだけで期待値は高かったんですが、読み終わってみると「まあ、こんなものか」という感じです。 麻耶ミステリということで、ロジック重視のトリック満載な作品なのは確かです。分単位のアリバイ工作とか、犯人が仕掛けたトリックの説明も細かくて、ミステリ好きさんにはたまらないんだろうなと思います。ただ、私個人としては、登場人物たちの心情描写がもう少し深ければなあと感じてしまいました。 白樫家という一族の背景や、事件前後のドラマティックな部分をもっと掘り下げてくれたら、単なるロジックパズルではなく、人間ドラマとしてもっと引き込まれたと思うんです。もったいないというか…。 ミステリとしての完成度は高いんだけど、私には少し理屈っぽく感じられてしまいました。気軽に読む分には十分楽しめますが、心に残る何かが欲しかったというのが正直な感想です。

感想

麻耶雄嗣の『木製の王子』を読み終えた。新装版とのことだが、初めて手にした作品だ。 比叡山麓の奇妙な屋敷を舞台にした密室的なミステリで、まず設定の秀逸さに惹かれた。高名な芸術家が建てた屋敷という非日常の空間設定が、物語に緊張感をもたらしている。殺人事件自体も、容疑者全員にアリバイがあるという古典的でありながら効果的な謎の構築だ。 麻耶特有の論理的な推理展開は期待通りで、登場人物たちのアリバイが分単位で緻密に構築されているところは、著者の執筆技術の高さを感じさせる。ただ、その複雑さゆえに、中盤では読む側の集中力も相当求められた。55を目前にした身には、確認しながら読み返す箇所も少なくない。 主人公・如月烏有の造型も興味深く、彼が惨劇に遭遇する運命的な在り方に、著者の物語構成力が表れている。論理と物語性のバランスが取れた、充実したミステリだと感じた。邦訳ミステリ好きなら一読の価値がある。

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