ぼくはねこの管理人2 浪漫荘おもいでダイアリー

ぼくはねこの管理人2 浪漫荘おもいでダイアリー

高橋 由太 / しまざき ジョゼ

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2026/02/25

KADOKAWA | 2026/02/25

3.75
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

前作の続編ということで、どんな風に話が展開するのか慎重に確認してから手に取りました。結論として、その判断は正解だったと思います。 古いアパート「浪漫荘」を舞台にした温かい人間ドラマは、相変わらず魅力的です。主人公・門脇暖が漫画家の夢と祖母の思い出の場所を守ることのジレンマに直面する姿が丁寧に描かれており、35歳の自分としても他人事ではない葛藤として読めました。 何より良いのは、猫「ちっちゃいのすけ」の視点を通じた独特の語り部として機能していること。猫らしい無関心さが、人間ドラマの緊張感を適度にほぐし、読み疲れさせません。今回登場する「婚活パーティー」のエピソードも、表面的なコメディではなく、住人たちの人生経験や価値観をさり気なく浮かび上がらせる工夫が感じられます。 会社務めで忙しい日常の中で、このような穏やかで人情味溢れるお話はほっと一息つける良い息抜きになります。シリーズものとしてのバランスも取れており、次巻もきっと手に取ることになるでしょう。

感想

シリーズ第2巻ということで、前作を読んでいてすぐに手に取りました。相変わらず浪漫荘の世界観が心地よく、のんびりした雰囲気の中で読み進めるのが楽しいですね。 今作は主人公・門脇暖が管理人として奮闘する日常の中に、住人たちの人間ドラマが丁寧に織り込まれています。特に熟年世代のラブストーリーが描かれるのですが、これがまた温かくて、つい応援したくなる。若い世代だけじゃなく、大人の恋愛模様も真摯に向き合う姿勢に好感が持てます。 何より、ハチワレ猫「ちっちゃいのすけ」の存在感が素晴らしい。猫の視点から人間たちを眺める距離感が、この物語全体の空気感を作り上げているんです。自分も家事の合間に本を片手に、この猫になったつもりで読んでいました(笑)。 アパートという限られた空間の中で、さまざまな人生が交差する様子を描いた良作です。日々の生活に疲れた時に読むと、きっと癒されると思いますよ。

感想

第一巻の続編ということで手に取ってみました。川越の古いアパート「浪漫荘」を舞台にした、なんとも温かみのある物語です。 管理人の門脇暖が祖母の思い出の建物を守ろうと奮闘する姿や、ハチワレ猫「ちっちゃいのすけ」との関係は本当に微笑ましい。猫視点のユーモアも随所に光っています。ただ、正直なところ、物語全体としては起伏に乏しいというか、落ち着きすぎているのかもしれません。 住人たちの日常エピソードや婚活パーティーといったイベントもありますが、どれもがすんなり進行していく感じで、引き込まれる強さに欠けるように感じました。エッセイ的な読み心地を求める方には心地よいかもしれませんが、物語として何か爆発力や深みを期待していた私には、少し物足りなさが残ります。 決して つまらない作品ではなく、むしろ丁寧に描かれた佳作なのですが、続編ということもあり、もう少し何かが欲しかったというのが正直な感想です。懐かしい下町の雰囲気が好きな方には、のんびりとした時間を過ごせる一冊としてお勧めできます。

感想

八十になった今、こういった心温まる物語に出会えるのは本当に幸せなことだ。猫を通じた人間ドラマというのは、さすが話題の作品だけあって、よく考えられている。 川越の古い木造アパート「浪漫荘」という舞台設定が実に良い。私も若い頃、同じような下町に住んでいたころを思い出させてくれた。主人公の門脇暖が祖母の思い出を守りながら、新しい住人たちとの関係を築いていく過程が丁寧に描かれている。そしてそれを見守る猫「ちっちゃいのすけ」のキャラクターが絶妙だ。 特に印象的だったのは、登場人物たちの人生経験が深く反映されているところだ。自営業を長くやってきた身として、八木澤豊治さんのような熟年の悩みは他人事ではない。人生後半戦における新しい関係や絆の作り方について、この作品は静かに、しかし力強く語りかけてくるように感じた。 文庫本というのも手に取りやすく、夜の読書に最適だ。人生経験を積んだ世代にこそ、読んでほしい一冊である。

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