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感想

岩波文庫の品揃えを眺めていて、このタイトルに惹かれました。湖という舞台設定だけで既に何かドラマティックなものが予感できて、慎重な私でも思わず手に取ってしまったのです。 読み始めると、その予感は見事に裏切られ、さらに深い層へ導かれました。登場人物たちの心理描写が非常に丁寧で、会社での人間関係に疲れた身としては、その繊細さが胸に染み入るような思いがしました。文体も岩波文庫らしく品があり、通勤時間の短編読みにも、落ち着いて向き合う読書にも対応できる柔軟性があります。 ただ、物語の展開がやや緩やかなため、派手な起伏を求める読者には退屈に感じられるかもしれません。けれど、じっくりと人物の内面を味わいたい方には心からお勧めできます。人生経験を重ねた今だからこそ共感できる部分も多く、同年代の女性には特に響く作品だと思います。

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