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中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと

中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと

佐野 倫子 講談社 2026年9月3日

感想

中学受験の親側の視点からの実践的ガイドということで、当初は子育て層向けの実用書だろうと予想していました。しかし読み進めると、教育社会学的な深さと現代日本の階層問題まで視野に入れた、かなり知的な議論が展開されていることに驚きました。 特に印象的だったのは、「沼」の概念です。単なる親の過熱化を批判するのではなく、なぜ少子化の時代に中学受験率が上昇するのか、その社会的・経済的背景を丁寧に解きほぐしていく。金銭問題や偏差値信仰の落とし穴についても、道徳的な説教ではなく現実的なデータと事例で説得力を持たせている。 新書という限られた形式の中で、カリスマ講師の学習法から体験談まで、実用性と思考性のバランスが素晴らしい。大学院で教育社会学を学ぶ身としても、親の決定プロセスや子どもの発達心理についての考察が参考になりました。親子関係や選択肢の複数化といった現代的課題をも浮き彫りにしており、教育現象を多角的に理解できる良書です。

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