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わたしの幸せな結婚 十(10)

わたしの幸せな結婚 十(10)

顎木 あくみ / 月岡 月穂 KADOKAWA 2026年3月13日

感想

シリーズ10巻目にして、物語はより深い謎へと向かっていきます。新婚旅行という微笑ましい設定からスタートするのに、すぐさま土蜘蛛という大きな課題が立ちはだかる。この緩急の付け方が本当に上手だなと感じました。 特に印象的だったのは、古い寺で語られる逸話と現在の物語が繋がっていく過程です。歴史の深さと現在の危機が交錯する展開は、単なるファンタジーロマンスの枠を超えていて、人文書的な思考の楽しさまで感じさせてくれます。また、清霞を励ます美世の心遣いの描き方も素敵で、二人の関係性がこれだけ進んでもなお新しい魅力を引き出せているのは、作品の力の証だと思います。 調査が難航するくだりはやや息苦しさを覚えましたが、それでも全体としては大きな謎への到達に向けて、確実に階段を上っている手応えがあります。シリーズ後半に差し掛かっての盛り上がりとしては、十分な完成度ですね。次巻がどう展開するか、今から気になって仕方ありません。

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