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赤と青のガウン

赤と青のガウン

彬子女王 PHP研究所 2024年4月3日

感想

オックスフォード大学での五年間の留学生活を描いた本作を読んで、まず驚いたのは、皇族という立場を超えた一人の研究者としての等身大の姿が見えることです。異国での学生生活における葛藤や喜び、学問追求の厳しさと充実感が、非常に誠実な筆致で綴られています。 タイトルにもなっている「赤と青のガウン」というシンボルを通じて、博士課程という知的冒険の意味が深く問い直されていく構成が秀逸です。くじけそうになった時のよすがとなった学位取得への想い、そして実際にそれを成し遂げるまでの過程が、読む者の心に静かに響きます。 女性が学問を極めることの意義、異文化での研究生活、自己との対話——これらのテーマが絶妙に織り交ぜられており、大学院生の自分にとって特に共鳴する部分が多くありました。学問的厳密さを保ちながらも親しみやすい語り口で、高い知的水準の読み物として完成度が高いです。 ただ、もう少し具体的なエピソードが増えると、より一層引き込まれたように思います。それでも、多くの学ぶ者に示唆を与える優れた一冊です。

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