ちーちゃんの本棚
感想

釣りを「武芸」として極める武士たちの話と聞いて、ちょっと変わった視点の時代小説だなと興味を持って読み始めました。 正直なところ、読んでいて思ったのは「面白いは面白いけど、何か物足りない」という感じ。主人公の又左衛門が釣りに真摯に向き合う姿勢は好きだし、それが武士の矜持につながっていく部分も悪くないんです。ただ、その面白さが一貫してグッと引き込まれるレベルには至らなくて……。 お家騒動という大きな事件に巻き込まれていく流れも、設定としては面白いはずなのに、どこか淡白に感じてしまいました。登場人物たちの心理描写ももっと掘り下げてほしかったなって。 時代小説好きな人には十分読む価値があると思いますし、釣りという地味だけど奥深い趣味を武芸として描く独特の世界観は確かに魅力的です。ただ私個人としては、もう一歩踏み込んだ何かが欲しかったという印象です。軽く読むには悪くない一冊ですが、心に残る傑作とはいかない感じですね。

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