ちーちゃんの本棚
感想

この本、本当に素敵でした。最初は穏やかな回想から始まるのに、ページをめくるにつれて何か不穏な空気が立ち込めていく感覚がたまりません。 キャシーが過ごした施設での思い出が徐々に明かされていく構成が秀逸で、読み進めるにつれて「あれ、何か変だぞ」と気付き始める。その違和感が物語を深く引き込んでくれるんです。三人の友情の描写も丁寧で、キャシーたちがどんな思いで毎日を過ごしていたのか想像しながら読んでしまいました。 SF的な設定はありますが、決して冷たい作品ではなくて、むしろ人間らしさや大切な関係性について深く考えさせられます。特にラスト近くのページは本当に胸が締め付けられて、しばらく手に力が入りませんでした。 重いテーマなのに読みやすくて、でも心に残る—そういう本ってなかなかないと思うんです。文庫版も手に取りやすいし、じっくり味わいたい作品として本当におすすめです。

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