本と珈琲の本棚
六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生

浅倉 秋成 KADOKAWA 2023年6月13日

感想

本屋大賞のノミネート作ということで、書店で目についたこの一冊を手にしてみました。IT企業の新卒採用試験という現代的な舞台設定が面白く、六人の就活生たちが繰り広げるミステリーの構成には見事なものがあります。 読み始めると、各キャラクターの描き方が実に生き生きとしていて、すぐにこの世界に引き込まれました。嘘つきという設定が、単なるトリックではなく、人間関係の複雑さを象徴しているところが上手いなと感じます。話が進むにつれ、登場人物たちの真意が少しずつ明かされていく過程は、退職を控えた身としても「就活」という若い世代の緊張感を思い出させてくれました。 文庫版という手軽さも手伝って、通勤時間や休憩時間でも気軽に読み進められます。本格ミステリーとしての仕掛けもしっかりしており、各種ランキング上位に選ばれた理由がよくわかります。ラストの展開には正直、驚かされました。気軽に読める面白さと、きちんとしたミステリーの醍醐味の両立が実現されている、そういう作品だと思います。

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