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極意 御庭番斬殺 密命(九)決定版

極意 御庭番斬殺 密命(九)決定版

佐伯 泰英 文藝春秋 2026年2月4日

感想

密命シリーズの第九巻ということで、つい手に取ってしまいました。このシリーズは何度も読み返しているお気に入りなのですが、今巻も期待を裏切りませんでした。 浪人・金杉惣三郎の息子が父の故事を追って秘技の修行に挑むという設定が素晴らしい。親子の絆と剣の道という重いテーマを、実に上手くエンターテイメントとして仕上げている。何年も前の話が現在に呼応してくるあたり、長編シリーズの醍醐味を感じさせてくれます。 江戸と豊後を舞台に、刺客との対峙が同時進行で描かれていく緊張感も心地よい。将軍吉宗の密命というスパイ小説的な要素と、武者修行という伝統的な剣戟冒険譚が融合している。管理職の仕事で疲れた週末、こういった手に汗握る活劇は最高のリフレッシュになります。 時代小説の書き手として円熟の境地に達している著者の筆力が随所に光ります。決定版という冠が付くのも納得できる出来栄え。シリーズを追い続けてきた者として、大満足です。