極意 御庭番斬殺 密命(九)決定版

極意 御庭番斬殺 密命(九)決定版

佐伯 泰英

出版社:文藝春秋 出版年月日:2026/02/04

文藝春秋 | 2026/02/04

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

密命シリーズの第九巻ということで、つい手に取ってしまいました。このシリーズは何度も読み返しているお気に入りなのですが、今巻も期待を裏切りませんでした。 浪人・金杉惣三郎の息子が父の故事を追って秘技の修行に挑むという設定が素晴らしい。親子の絆と剣の道という重いテーマを、実に上手くエンターテイメントとして仕上げている。何年も前の話が現在に呼応してくるあたり、長編シリーズの醍醐味を感じさせてくれます。 江戸と豊後を舞台に、刺客との対峙が同時進行で描かれていく緊張感も心地よい。将軍吉宗の密命というスパイ小説的な要素と、武者修行という伝統的な剣戟冒険譚が融合している。管理職の仕事で疲れた週末、こういった手に汗握る活劇は最高のリフレッシュになります。 時代小説の書き手として円熟の境地に達している著者の筆力が随所に光ります。決定版という冠が付くのも納得できる出来栄え。シリーズを追い続けてきた者として、大満足です。

感想

「密命」シリーズの九巻目ということで、ついつい手に取ってしまいました。これまでのシリーズを読んできた身としては、おそらく基本的な世界観や人物関係を理解している前提で進むのだろうと想像できます。 本作は父と子が別々に危機に直面するという構図で、それなりに緊張感を持って読み進めることができました。ただ、正直なところ、特に新鮮な展開があるわけではなく、シリーズの延長上にあるといった感じです。刺客との対峙も、これまで読んできた作品と似たような流れで、「ああ、またこのパターンか」と思わずにいられませんでした。 文章自体は読みやすく、歴史冒険小説としての基本的なクオリティは保たれています。ただ、長いシリーズ物なので、物語としての厚みや意外性を期待していた分、やや物足りなさが残ります。シリーズファンであれば確認の意味で読む価値はあると思いますが、新たに手に取るなら、初巻から丁寧に読み進める方が良さそうです。気になる方は、まずレビューをしっかり確認してから判断されることをお勧めします。

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