みかんの本棚
50歳からの不動産

50歳からの不動産

牧野知弘 中央公論新社 2026年2月9日

感想

将来の住まいについて真剣に考え始めた時期に、この本に出会いました。フリーランスという立場で、定年もなく人生設計が曖昧だからこそ、不動産選びの判断基準が欲しかったのです。 著者の現場主義的なアプローチが素晴らしい。タワマンの管理費問題から外国人不動産問題まで、実際に起きている具体的な事例を通じて、不動産業者や銀行の論理ではなく「自分ファースト」で考えることの重要性を徹底的に説きます。新書という限られた紙幅の中で、これだけの情報密度を保ちながら読みやすさを失わないのは見事です。 特に印象的だったのは、「終の棲家」という言葉の使い方。単なる投資対象ではなく、人生100年時代における自分たちの選択肢をリアルに提示する視点です。親世代と異なる不動産環境の中で、何を優先すべきかが明確になります。 若干、東京圏中心の事例が多い点は気になりましたが、全国の読者にも応用できる考え方が随所に散りばめられています。これからの人生を考える上で、実用的かつ思考の枠組みをくれる良書だと思います。

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