それでも日本に原発は必要なのか? 潰される再生可能エネルギー

それでも日本に原発は必要なのか? 潰される再生可能エネルギー

青木 美希

出版社:文藝春秋 出版年月日:2026/02/20

文藝春秋 | 2026/02/20

1.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

現在の政治動向を反映した話題の一冊ということで手にしましたが、正直なところ物足りなさが残りました。 福島原発事故以降の日本のエネルギー政策転換という重要なテーマを扱っているだけに、より緻密な論証と客観的なデータ分析を期待していました。被災者たちの物語という人間的な視点は好感が持てますが、一方で「原発利権の闇」といった煽動的な表現が目立ち、議論の深掘りが不十分に感じられます。 再生可能エネルギーの実績数字(発電力23%、倒産52件など)は興味深いのですが、なぜ政策転換が起きているのかという根本的な原因についての分析が浅い。経済性、安定供給、国際競争力といった複数の観点からの検討があってもよかったと思います。 新書というフォーマット的な制約もあるでしょうが、58年生きてきた身としては、もう少し冷静で多角的な視点で現在のエネルギー政策の是非を考えたかった。話題性だけに頼らない、より説得力のある議論の展開を望みます。

感想

エネルギー政策について学びたくて手に取った一冊だったが、期待と現実のギャップが大きかった。 確かにテーマ自体は興味深い。福島原発事故後の日本のエネルギー政策転換、再生可能エネルギーの急速な拡大と現在の停滞、そして原発回帰への流れ—これらは重要な社会課題だ。しかし、著者の主張が強すぎて、バランスの取れた分析に欠けている印象を受けた。 技術者としての立場からすると、もっと冷静なデータ分析と、複雑な問題に対する多角的なアプローチを期待していた。被災者の物語は確かに説得力があるが、それだけでは政策判断の根拠としては不十分だ。再エネ普及の課題(蓄電技術、供給の安定性、コスト効率など)についても、もっと詳しく掘り下げてほしかった。 新書という限られた紙幅ながら、もう少し両論併記の姿勢があってもよかったと思う。意見は合致するかもしれないが、読み手として納得できるだけの根拠が足りなかった。肩の力を抜いて読む軽めのエッセイなら気楽に読めるが、このテーマでそれはできない。

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