みかんの本棚
それでも日本に原発は必要なのか? 潰される再生可能エネルギー

それでも日本に原発は必要なのか? 潰される再生可能エネルギー

青木 美希 文藝春秋 2026年2月20日

感想

エネルギー政策という一見地味なテーマながら、この本の切り込み方は鮮烈だ。福島の被災者たちの証言を軸に、再生可能エネルギーがなぜ潰されていくのか、その構造的な問題を丹念に追っている。 原発事故から13年が経った今も、被害者たちが何を求め、何に苦しんでいるのか。その声が丁寧に記録されている点が、単なる技術論や経済論に終わらない説得力を生み出している。一方で、政策決定の舞台裏にある利権構造も、具体的かつ冷徹に描かれており、無策で進む原発回帰の危険性が浮き彫りになる。 特に興味深いのは、再エネが23%まで進出しながら、いかにして再び縮小されようとしているかの描写だ。固定価格買取制度の引き下げという一見地味な施策が、いかなる連鎖反応を生み出すか。フリーランスとして、政策の変動に敏感な身としては、実に現実的で危機感を覚えた。 ノンフィクションとしての完成度も高い。新書というコンパクトな形式を最大限活用しながら、複雑な問題を分かりやすく整理している。必読の一冊。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ