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ふくわらい

ふくわらい

西加奈子 朝日新聞出版 2012年8月1日

感想

マルキ・ド・サドをもじってつけられた名前、鳴木戸定。 そもそも私はマルキ・ド・サダを知らないのでなんのこっ ちゃ?な感じなのだが、紀行作家である父と病弱な 母との間に生まれた定はまるで笑わない、感情が欠 落したような子供だったのだ。 そんな定が唯一子供の頃夢中になった遊びが「ふく わらい」。次第に紙の上だけではなく実際の人物の 顔のパーツを自分の空想の中ではめたり外したりし て遊ぶようになる。 登場人物が変である。 主人公の定はもちろん定の父親もかなりの変人だっ たし大人になった定が編集者となり、担当する作家 たちもかなりの変人である。 プロレスラー守口廃尊(バイソン)とか盲目のイタリア 人ハーフの次郎とか雨ごいを頼んでくる作家、之賀 さいことか・・・ 私は結構物語の中に出てくる変な人が好きな方だ が、ううむ、残念ながら、この本に出てくる変な人たち にはどうにも乗り切れず・・・ 私も常識に囚われた面白みのない人間になっちまっ たのかもしれない(´ε`;) ただ、定はかなりの変人ではあるがいつも誠実に相手 に向き合おうとする。 どこまでも底抜けに純粋である定には好感が持てたし、 誰に対しても敬語で話す定との会話文が面白くて誰 にも感情移入できない割にはぐいぐいと読み進むこと ができた。 定の幼少期の出来事には異様な事柄も含まれるし グロかったり臭いそうだったりな表現もあるのでちょっと 気持ち悪くなりかけたりもするけれど、生命力にはあ ふれている。 ただラストはどうなんだろうか・・・ これはちょっと・・・あかんレベルじゃないか?

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