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僕の明日を照らして

僕の明日を照らして

瀬尾まいこ 筑摩書房 2010年2月1日

感想

シングルマザーの息子として母親に心配をかけないように 周囲からも後ろ指をさされないようにとどこか自分に無理を しながらも生きてきた中学2年の隼人。 母さんが再婚し家にやってきた新しい父親の優ちゃん。 優しくてかっこいい優ちゃんが隼人は大好きだった。 スナックの仕事で夜は家にいない母親。 小さい頃から一人で過ごす夜の孤独と恐怖を知っている隼人には 優ちゃんは光のような存在だったのだ。 しかし、優ちゃんは時々キレて隼人を殴る。 それでも優ちゃんを失いたくない隼人の戦いが始まる。 虐待を受ける子供と愛しているのに虐待してしまう大人が 二人で互いに努力をしながら克服していこうとする姿に 隼人の成長を見るといえばそうなんだけれど どうなんだか私には今ひとつリアリティがないというか 現実問題としてこんなふうにうまくいくもんだろうか? うまくいったのかどうかもわからないけれど・・・ まず我を忘れて子供を殴るという行為にどうしても嫌悪感を 持ってしまってダメだった。 なぜ優ちゃんが虐待をしてしまうのかという理由も今ひとつ わからなかったし。 ただ、隼人にとっては暴力を受けることより一人で過ごす夜の孤独の方が より恐怖であったことが可哀想で、生活のためには仕方が なかったのかもしれないけれど自分の子供にそこまでの 孤独を味あわせていたことに気づいていない母親に 対してもよい感情は抱けなかった。 料理に手を抜かず、隼人の行事には仕事を休んででも 駆けつけ、子供の様子には気を配っている母親だけれど とても大事な部分は見えていない。 隼人もまた、どこか優ちゃんと同じような歪なものを 持ったまま成長していきそうで心配になってしまった。 こういう問題って隠そうとするとどんどんと閉塞的になって 時には取り返しのつかないことに発展することもあるし もちろん身近な誰かが手を差し伸べて克服できる場合も あるのかもしれないけれど、私にはなんとなく隼人と優ちゃんが お互いに依存しあっているだけのような感じもして どことなく居心地の悪い作品になってしまった。

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