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武士道エイティーン

武士道エイティーン

誉田哲也 文藝春秋 2009年7月30日

感想

剣道一筋の磯山香織と日本舞踊が出来なくなり中学から剣道を始めた早苗。 そんな二人は同じ高校の剣道部員となる。性格も剣道もまるで対照的な2人が 高校時代を剣道にかける青春エンターティメント。 シックスティーンから始まりセブンティーン、エイティーンと1年ずつ繰り広げられてきた二人の戦いと友情の最終章。 親の事情で九州に引っ越すことになり全国でも名の通る剣道の強豪高、福岡南 に転校し代表選手になった早苗。 そして東松高校を率いてインターハイを目指す香織。 離れ離れになっても二人は永遠にライバルでインターハイの舞台で互いに 戦うことを目標にしている。 この二人の最後の一年、最後の夏をどう締めくくってくれるのか。 シリーズで読んできたものだから二人の戦いに期待は膨らむ。 でも、クライマックスは香織と早苗の試合じゃないのよねー。 ちょっと肩透かしをくらった感はあるけれどこのシリーズの核は 試合に勝つとか負けるとかではなくて武士道なんだな、と改めて 感じた。 前2作は香織か早苗どちらかの視点で物語が書かれているけれど エイティーンに関してはこの二人以外に、早苗の姉の緑子の話や 香織の師匠である桐谷先生の話、それに早苗の福岡南高校での顧問の 吉野先生の話などがスピンオフ的に話の途中に挿話されていて 時折本編がぶつ切りされることに多少の違和感を感じつつ読んだのだけれど このサイドストーリーのおかげで多少ぼやけ気味だった脇役の人たちの 存在感が増した気がするし、吉野先生の話と桐谷先生の話が何気に リンクしていてなるほどーーーー!!とちょっと感動した。 ただなぁ、欲を言えばもうちょっと部活の部分が描かれていれば よかったのにな。。。とちょっと残念な気もする。 福岡南についてはあまり部活内の話も面白くなかったのでどうでも よいのだが東松の剣道部には私も思い入れがあったのでもう少し 他の部員たちのことなどが書かれていると嬉しかったかな、と。 香織と早苗は高校の三年間を剣道にかけお互いに武士道を探求 してきたわけだけれど、彼女たちの人生はこれからも続いていく 高校剣道を卒業していく彼女たちのその後はどうなっていくのか 二人それぞれの進路の先には舞台は離れても道は繋がっているの だろうと思わせる厳しさと爽やかさの残る読後感 女子力爆発の青春系小説です。

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