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感想

文楽(人形浄瑠璃)に心惹かれ義太夫の道に進んだ 健(たける) 人間国宝の銀太夫師匠に弟子入りして10年、周囲を翻弄するキャラクターの 持ち主である師匠の周りの世話をしながら日々、芸を磨き精進しようとしている。 そんな師匠からある日「おまはん、六月から兎一郎と組みぃ」と言われた健 三味線の兎一郎は周りからは「実力はあるが変人」と噂される変わり者。 文楽の太夫と三味線は夫婦も同じというぐらい密接な間柄で 互いに信頼愛し芸を磨いていくのだけれど、なかなか一筋縄ではいかない。 それでも健は兎一郎が何気なく発した言葉に導かれたり頷いたりしながら 鍛えられ芸を磨いていく。 「女油の地獄」「仮名手本忠臣蔵」 名前だけは聞いたことが あるけれど全くもって文楽なんて縁のない世界。 なんだかよくわからんかも? なんて読み始めたのだが これがなかなかどうしてすっかり文楽をわかった気になって しまうから驚きだ。 キャラの性格描写も見事で魅力的。 堅苦しい伝統芸能の世界とそこで生きるおもろくてお茶目な 人々のギャップが心地よい。 芸の鬼のような兎一兄さんがプリン好きってあたりで すっかり兎一兄さんに惚れた(笑) 健が恋するオカダマチもまた素敵な女性だ。 芸に悩み恋に悩みながら一途に道を進んでいく。 傑作青春小説ということらしい。 30歳の健に青春というのはいかがなものかと思いつつ やっぱり青春小説のような青臭さと清々しさを感じる 作品だった。 今まで全く知らなかった世界をかいま見るのは楽しく もっと知ってみたいなという気持ちにさせられる。 一度生の文楽を観てみたいと思った。 ん?確か三浦しをんさんはエッセイを書いてしまうほどの 文楽好きだと聞いたが、これはそのための本か? 思うつぼなのか?

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