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二度はゆけぬ町の地図

二度はゆけぬ町の地図

西村 賢太 KADOKAWA 2010年10月23日

感想

『苦役列車』で知られた著者の私小説集ということで、手に取ってみました。17歳の主人公が日雇い仕事をしながら必死に生きようとする日々の断片的な物語たちなんですが、これがね、なかなか引き込まれるんです。 夢と現実のギャップ、他人への執着と失望、そういった青春期特有のもやもやとした感情が、淡々とした筆致で描かれています。派手な展開を期待していく本ではなくて、むしろ地味だけどリアルな人間関係の葛藤みたいなものが心に残ります。 公務員の仕事を終えた夜に、カフェでぼんやり読むのに最適な一冊だと思いました。重すぎず、でも読み応えはある。短編の連作なので、細切れ時間で読むのも良いし、一気読みしたくなるタイミングもあります。きっと読む人によって感じ方が違う、そういう奥行きがある本だと感じます。

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