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感想

慎重に選んだ一冊だったが、その判断は間違っていなかったと感じた。 本作は平凡なサラリーマンが、ある女性との出会いで人生が大きく変わる物語だが、その転換点が想像を遥かに超えていた。告発文という仕掛けで、隠された過去が徐々に明かされていく構成が秀逸だ。深瀬というキャラクターの心理描写は丁寧で、自分のような年代の男性にも共感しやすい。何度も人生をやり直したいと思ったことのある誰もが、この葛藤に引き込まれるだろう。 題名の「リバース」が単なる逆転劇ではなく、深い意味を持つことに気づくのは読み進める中盤以降。その仕掛けの見事さに、思わず息を飲んだ。文庫本という手頃なサイズながら、物語の重量感は相当なものがある。 完全に満足とはいかない部分も若干あるが、このクラスの作品は今の出版界ではなかなかお目にかかれない。迷っている方がいるなら、確実におすすめできる一作だ。

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