みつこの本棚
ママがもうこの世界にいなくても

ママがもうこの世界にいなくても

遠藤 和 小学館 2021年12月1日

感想

人生の重みを感じさせる本です。二十代で余命を宣告された若い女性が、それでもなお愛する人との結婚を選び、母になることを望む。その決断の強さに、思わず背筋が伸びました。 本書は単なる闘病記ではなく、限られた時間の中で、どう愛を紡ぎ、どう生きるかという根本的な問いかけです。日記形式で綴られた言葉は素朴ながらも力強く、読み手の心に静かに迫ってきます。困難な状況下での夫婦の絆、幼い娘への思い—この方が遺したメッセージは、生きることの本質を教えてくれるようです。 ボランティアで様々な方々とお会いしてきた経験から申し上げますと、人間の可能性と生きる意味について、この本ほど誠実に向き合った作品は稀です。決して重くなりすぎず、むしろ希望や温もりが感じられるのは、著者の人生観の深さゆえでしょう。 人生百年時代と言われますが、時間の長さではなく、いかに充実した日々を過ごすか。そのヒントがここにあります。多くの人に読んでいただきたい一冊です。

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