みつこの本棚
極東発 世界大戦4

極東発 世界大戦4

大石英司 中央公論新社 2026年4月23日

感想

近年の地政学的な緊張を背景にした架空戦記小説として手にとってみました。北朝鮮のドローン攻撃から始まる連鎖的な紛争という設定は、今の国際情勢を反映した現代的なテーマです。 ただ率直に申し上げると、物語の展開には若干の無理が感じられます。次々と起こる事件の因果関係は理解できるのですが、各国の対応や民衆心理の描き方に深みが足りないように思われました。私たちボランティアの現場では、紛争によって傷つく人々の実像を目にすることがありますが、その複雑さがもっと丁寧に描かれていたら、と感じずにはいられません。 新書というコンパクトな形式での仕上がりとしては及第点でしょう。読みやすく、時事的な興味を持つ人には十分価値があります。ただ、この手のテーマを扱った他の作品と比較すると、やはり深刻さと想像力の両面で一歩譲る印象は拭えません。政治的な議論も含め、もう少し掘り下げたバージョンがあれば、評価も変わったかもしれません。

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