阿部の本棚
嫌われる勇気

嫌われる勇気

岸見 一郎 / 古賀 史健 ダイヤモンド社 2013年12月13日

感想

新社会人になって、職場の人間関係に悩まされることが増えた。そんな時に同期が勧めてくれたのがこの本だ。 正直、対話篇という形式に最初は戸惑ったが、青年の素朴な疑問を通じてアドラー心理学が段階的に理解できる構成は実に効果的だ。特に印象に残ったのは「人間の悩みはすべて対人関係である」という命題と、トラウマの存在を否定する議論。これまで心理学といえばフロイトのトラウマ論が常識だと思っていたから、新鮮な衝撃を受けた。 著者の解説は難しい哲学概念を平易な言葉に翻訳しており、思想書初心者にも読みやすい。ただし、哲学者の主張が一方的に展開されていく部分もあり、読む側の主体的な批判力が必要とも感じた。 実務的には、上司からの評価を気にしすぎず、自分の課題に集中するという教えは、新社会人の私にとって強い説得力がある。完全には同意できない部分もあるが、人生観をリセットするきっかけとしては十分な価値がある一冊だ。

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