乱読家の本棚
誰が勇者を殺したか(1)

誰が勇者を殺したか(1)

駄犬 / toi8 KADOKAWA 2023年9月29日

感想

ファンタジーものってついつい勇者が正義で全て上手くいくストーリーだと思い込んでたんですけど、この作品はそんな先入観を見事に裏切ってくれました。魔王を倒した勇者の死の真相を巡って、仲間たちの証言が絡み合う構成が本当に面白い。ミステリのような緊張感がファンタジーの世界観と合わさって、ページをめくる手が止まりませんでした。 何が良いって、各キャラクターの視点から語られる勇者の姿が少しずつ違うんです。同じ出来事なのに見え方が違う…その微妙な違和感が、隠された真実への手がかりになってるんじゃないかって考えながら読むのが楽しい。騎士、僧侶、賢者たちそれぞれに背景があって、単純な悪役も正義の味方もいない、複雑な人間関係が描かれてるのが好きでした。 第一巻だけあって謎は完全には解けないんですが、だからこそ続きが気になります。慎重派の私でもこれなら続き買う価値ありだと思えるくらい、引き込まれました。

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