はるとの本棚
感想

テレビドラマの映像化小説という企画に最初は懐懐疑的だったのですが、この第4巻にして完全に引き込まれてしまいました。 堺雅人演じる乃木の追う謎が、単なる一国内の問題ではなく、国際的なスケールへと拡大していく構成が秀逸です。野崎の裏切りという衝撃的な展開から、新たに登場する「シンシー」という組織との対峙へと物語が急速に加速していく流れは、読み手の予測を常に上回る。 エンジニアとして複雑なシステムを扱う身からすると、各要素がどう繋がっていくのか、その論理的な構築に感心させられました。ただの娯楽小説ではなく、登場人物たちの動機や判断の背景にある重層的な事情が丹寧に描かれている。正義と悪という二項対立では片付けられない葛藤の描き方が、大人が読むに値する深さを持っています。 シリーズを追う価値は十分にあります。次巻への期待感を抱かせるエンディングも含めて、このシリーズは一気読みするに値する傑作だと言えます。

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