洋子の本棚
ぞくぞく村の魔女のオバタン

ぞくぞく村の魔女のオバタン

末吉 暁子 / 垂石 眞子 あかね書房 1989年1月1日

感想

子どもの読み聞かせ用に手に取った一冊です。魔女のオバタンというキャラクターは確かに個性的で、ほうき乗りが下手という設定も子どもが笑える要素として機能しています。 ただ、読んでいて感じたのは、物語としての深みに少し欠けるということでしょうか。ユーモアに頼った展開が多く、登場人物たちの心情描写や成長の過程といった、児童文学として重要な要素がやや薄い印象を受けました。もちろん、子ども向けの作品にはそこまで求めすぎるのは酷かもしれませんが、同じ出版社の他の作品と比べると、物語としてのまとまりや説得力の点で一歩劣る気がします。 イラストは親しみやすく、低学年のお子さんなら楽しく読めると思います。ただ、大人が読んで唸るような工夫や、大人と子どもで異なる楽しさを感じさせるような仕掛けは、残念ながら見当たりませんでした。 児童文学の魅力を求める読み手には、もう少し他の選択肢も検討する価値があると考えます。