洋子の本棚
セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ

アニメ-ジュ編集部 徳間書店 1982年12月1日

感想

宮沢賢治の名作として知られる作品だからこそ、期待値も高かったのですが、正直なところ期待と現実のギャップに戸惑ってしまいました。 子どもの頃に学校で習った記憶がおぼろげにあったので、大人になった今改めて読んでみようと思い立ったのです。しかし読み進めていくうちに、この作品が自分の読書嗜好とはどうにも合致しないことに気づきました。 ファンタジー的な要素と教訓性が混在しているのですが、その融合がやや稚拙に感じられてしまったのが正直な感想です。特に、動物たちとの交流を通じた成長のくだりは、メッセージ性が前に出過ぎていて、文学的な深みに欠けるように思えました。 人文・思想書を中心に読んできた身からすると、この作品に求めていた複雑さや多層的な解釈の余地が不足していたのでしょう。児童文学としては評価できる側面もあるのでしょうが、大人の読者として重厚な思想性を期待していた分、物足りなさが残ります。時代の経過とともに、作品の価値も相対的に変わってくるのかもしれません。

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