洋子の本棚
かくりよの宿飯 九 あやかしお宿のお弁当をあなたに。(9)

かくりよの宿飯 九 あやかしお宿のお弁当をあなたに。(9)

友麻碧 / Laruha KADOKAWA 2018年10月15日

感想

シリーズ9巻目にして、この作品の魅力がより深く理解できるようになった気がします。葵と大旦那の関係が静かに進展していく様子が、本当に丁寧に描かれているんです。 各巻を重ねるごとに、あやかしの世界観が洗練されていくのを感じます。今回は文門の地という新しい舞台が登場し、いつもの宿とは違う空気感のなかで、二人の絆がどう変化していくのかがとても興味深い。穏やかな時間のなかに潜む緊張感も秀逸で、物語としての完成度がますます高まっている印象です。 主婦として日々の生活を送っていると、こういう細部にこだわった作品の良さが本当に身に沁みてわかります。毎日の営みのなかで人間関係がゆっくり深まっていく過程を、これほど自然に、かつ情緒的に表現できる著者の手腕に、改めて感嘆しました。シリーズを通して読んできた価値が十分にある。あやかし好きさんにはもちろん、じっくりとした物語の進行を愛する読者にも、心からお勧めしたい一冊です。

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