セロ弾きのゴーシュ

セロ弾きのゴーシュ

アニメ-ジュ編集部

出版社:徳間書店 出版年月日:1982/12/01

徳間書店 | 1982/12/01

2.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

宮沢賢治の名作として知られる作品だからこそ、期待値も高かったのですが、正直なところ期待と現実のギャップに戸惑ってしまいました。 子どもの頃に学校で習った記憶がおぼろげにあったので、大人になった今改めて読んでみようと思い立ったのです。しかし読み進めていくうちに、この作品が自分の読書嗜好とはどうにも合致しないことに気づきました。 ファンタジー的な要素と教訓性が混在しているのですが、その融合がやや稚拙に感じられてしまったのが正直な感想です。特に、動物たちとの交流を通じた成長のくだりは、メッセージ性が前に出過ぎていて、文学的な深みに欠けるように思えました。 人文・思想書を中心に読んできた身からすると、この作品に求めていた複雑さや多層的な解釈の余地が不足していたのでしょう。児童文学としては評価できる側面もあるのでしょうが、大人の読者として重厚な思想性を期待していた分、物足りなさが残ります。時代の経過とともに、作品の価値も相対的に変わってくるのかもしれません。

感想

久しぶりに宮沢賢治を読み返してみました。仕事で頭を使い疲れた週末に、短編ということもあって手に取ったんですが、これがもう本当に良かった。 セロという楽器と向き合うゴーシュという主人公の姿勢が、なんだか仕事をしている自分にも響くんですよね。完璧を目指して試行錯誤する過程、それでも前に進もうとする意志。コメディ要素もたくさんあって、読んでいて思わずクスッと笑ってしまう場面が多いのも魅力です。 賢治の描写は細かくて、動物たちとの関わりを通じて主人公が成長していく様子がとても自然。短編だから読みやすいし、何度でも手に取りたくなる温かみがあります。疲れているときこそ、こういう心がほっこりする作品って必要だなって改めて実感しました。エンターテインメント性と文学性のバランスが絶妙で、気軽に楽しみながらも深く考えさせられる。おすすめです。

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