洋子の本棚
再婚生活 私のうつ闘病日記

再婚生活 私のうつ闘病日記

山本 文緒 KADOKAWA 2009年10月24日

感想

日記形式の作品ということで、うつ病と向き合う日常をより身近に感じられるのではないかと期待して手に取りました。 外見的には恵まれているはずなのに、心が病んでいく矛盾。その葛藤を丁寧に綴った作品です。読んでいて、社会的成功と個人の幸福が必ずしも一致しないという、誰もが心のどこかで感じている問題に改めて向き合わされました。 ただ、率直に言えば、内容としては特に目新しさを感じませんでした。うつ病や再婚といったテーマは、これまで多くの作品で扱われてきたものです。この著者だからこそ伝わる、独特の視点や深い洞察があるかといえば、やや物足りなかったというのが本音です。日記形式という形態は、確かに素朴で誠実ですが、それゆえに読み手に強く訴えかけるほどの表現力には至っていないように感じます。 闘病の過程を記録することの意味、そして回復へ向かう過程は丁寧に描かれています。ただ、もう少し深い自己省察や、読者の心を揺さぶるような一節があれば、より印象的な作品になったのではと思います。参考になる部分はありますが、特別な推奨まではしたくない、そんな読後感です。

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