てつの本棚
感想

教育現場にいると、生徒たちの読書量の減少が気になってしょうがない。そんなモヤモヤを抱えていた時に出会ったのがこの本だった。著者の主張は実にシンプルで明快。「読書力」とは特殊な才能ではなく、鍛えられるスキルだという。 何より良かったのは、読書を義務的に捉えるのではなく、むしろ実践的で身近なものとして語ってくれている点だ。新書五十冊、百冊といった具体的な指標も参考になるし、「要約を言えることが読んだということ」という言葉は、授業で生徒に伝えたくなった。 もちろん異論もある。すべての本が知識習得のためだけに読まれるべきとは思わない。それでも、社会人として必要な読書力を磨くための指南書としては十分な価値がある。教員として、また読書好きの一人として、生徒たちにこの本の考え方を紹介する良い機会をもらった気がする。読みやすい新書だからこそ、その主張がより説得力を持つ。