軍事の日本史[新装版]

軍事の日本史[新装版]

本郷和人

出版社:朝日新聞出版 出版年月日:2026/02/13

朝日新聞出版 | 2026/02/13

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

高校の日本史授業で「戦国時代ってどんな時代?」と生徒に聞かれることが多いのですが、この本を読んでからは答え方が変わりました。単なる武将の活躍や合戦の経過ではなく、軍勢を動かすのにいくら必要か、食糧調達の現実、領国経営の制約といった、まさに「生きた歴史」が見えてくるんです。 応仁の乱がなぜあんなに長引いたのか、戦国大名たちがどうやって1万人規模の軍勢を運用していたのか。こうした素朴な疑問に、著者は実に丁寧に答えてくれます。歴史学が見落としてきた「軍事のリアル」という視点は、教員としても非常に興味深い。新書という手軽なフォーマットなので、忙しい日常の中でも読み進めやすいのも◎。 論考「豊臣兄弟と軍事」も新たに加わっているということで、単なる復刻ではなく充実度が高い。歴史好きはもちろん、時代小説を読む人にとっても、背景知識が深まるおすすめの一冊です。

感想

日本史の教科書で習う戦国時代は、つい派手な合戦や武将の逸話に目を奪われてしまう。この本は、そうした表面的な歴史認識を根本からくつがえしてくれた。 著者が問い直すのは「軍事のリアル」だ。1万人の兵を1ヶ月養うのにいくら必要か、応仁の乱がなぜあんなに長引いたのか—こうした視点から歴史を見直すと、従来の教科書では説明しきれない事象が次々と浮かび上がる。経済的制約、兵站の問題、統治システムの変遷。新社会人として組織運営を学ぶ身にとって、こうした実務的視点は実に興味深い。 新装版には豊臣兄弟と軍事という書き下ろし論考も加えられており、秀吉の天下統一の過程がより立体的に理解できるようになっている。歴史学の盲点を丁寧に埋めていく筆致は、学術的な厳密性を保ちながらも読みやすく工夫されている。 日本史を深く学びたい人、単なる物語としてではなく構造的に理解したい人には特におすすめできる一冊だ。

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