てつの本棚
きよのお江戸料理日記(7)

きよのお江戸料理日記(7)

秋川滝美 アルファポリス 2026年3月31日

感想

シリーズ第七巻ということで、久しぶりに手に取ってみました。江戸の料理屋を舞台にした連作短編集ということで、これまでのシリーズと同じ形式ですね。 正直なところ、今回はちょっと物足りなさを感じてしまいました。各編のストーリーそのものは悪くないのですが、どうも展開が予定調和的というか、驚きに欠ける印象です。特に相撲取りの話は、料理を通じた人間ドラマという基本的な枠組みは分かるのですが、その中での工夫や意外性が薄れているような気がします。 教員として日々生徒たちの様々なドラマに接していますが、読書で求めるのはやはりその物語に引き込まれる力。せっかく江戸という舞台設定と料理という題材があるのに、もっと作品固有の魅力を引き出してほしかった。シリーズ継続による疲労感が出ているのかもしれません。 それでも登場人物への親しみはあるし、江戸の風情は相変わらず心地よいです。ただ、次巻に向けては新しい息吹を期待したいところですね。気軽に読むには十分ですが、この巻に関しては以前の出来栄えとの差を感じずにはいられません。