文子の本棚
感想

定年を迎えた男性の戸惑いと葛藤を描いた作品ですね。仕事がすべてだった人が、急に時間を持て余してしまう、その不安感がよく伝わってきました。年を重ねた私たちにとって、他人事ではないテーマです。 主人公の田代さんの苦悩は現実的で、共感できる部分がたくさんあります。特に妻との関係性が微妙なところが、この世代の夫婦の実態をうまく表現しているなと感じました。ただ、話の進み方がやや単調で、もどかしい気持ちで読み進めることになります。 新しい生き甲斐を見つけるまでの過程は、私たちの世代にとって大切なテーマなのですが、描写が物足りないように感じてしまいました。もう少し明るさや希望が見えていると、読んでいて気が楽になったかもしれません。 決して悪い作品ではないのですが、可もなく不可もない、という印象で残りました。ベストセラーということなので、多くの人の心に何かしら響く部分があるのでしょう。読んでよかったとは思いますが、特に心に残る表現や場面があったかと言うと…ちょっと物足りません。

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