静かな読書の本棚
般若、井戸を掘る

般若、井戸を掘る

般若 流星舎 2026年4月24日

感想

最近、こういう不思議な味わいの本に惹かれるようになった。『般若、井戸を掘る』はその典型で、タイトルからして何か謎めいている。手に取ってページをめくると、小説とエッセイの境界線が曖昧で、それがなんとも心地よい。 著者の視点が独特で、日常の些細なことから哲学的な問いが立ち上がってくる。井戸を掘るという行為を通じて、人生の深層について考えさせられる。自営業で独立してから、こういう思索的な作品への耐性がついたのかもしれない。日々の仕事の中で、人間関係や社会について考える癖がついているからだろう。 文章がしなやかで読みやすい。難しい概念をぐいぐい押し付けることなく、読者の側に委ねるような書き方が好感持てる。朝の支度をしながら読んだり、夜の少しの時間に読み進めたり、気軽に手に取れるのも良い。 久しぶりに「また著者の別の作品を読みたい」と思わせてくれた一冊だ。人生のある段階にある読者にはきっと響く本だと思う。

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