石井の本棚
池上彰の宗教がわかれば世界が見える

池上彰の宗教がわかれば世界が見える

池上 彰 文藝春秋 2011年7月20日

感想

仕事で国際プロジェクトに関わることが増え、異文化理解の必要性を痛感していたときに手に取った一冊です。池上彰のわかりやすさは定評がありますが、この本はそれを十分に体現しています。 宗教という複雑で多面的なテーマを、7人の賢人との対話という形式で段階的に紐解いていくアプローチが秀逸。キリスト教、イスラム教、仏教といった大宗教だけでなく、神道やユダヤ教といった視点からも世界を見つめることで、単なる知識習得を超えた理解が得られます。 特に印象的だったのは「日本人は本当に無宗教なのか」という問い。これまで自分がいかに無意識のうちに宗教的背景に影響されていたかに気付かされました。新書という限られた紙幅の中で、これほどの深さと広がりを実現するのは、著者の思考の整理力があればこそ。 エンジニアとして複雑系を扱う身として、世界のマクロな構造を理解することの大切さを改めて認識させてくれた良書です。