夏帆

夏帆

村上 春樹

出版社:新潮社 出版年月日:2026/07/03

新潮社 | 2026/07/03

4.67
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

SNSで話題になってたから手に取ってみたんですが、これは本当に面白かった。 主人公の夏帆は、見た目も才能も「普通」の26歳。その彼女が初対面で男から言い放たれた言葉から物語は始まるんだけど、その衝撃の一言がすべてをかき回していく。ここまで前のめりで読んだのは久しぶりだ。 何が素晴らしいかって、夏帆というキャラクターの作られ方。美人でも天才でもない、ただの好奇心の塊みたいな女の子として描かれているのに、これほどまでに引き込まれるのか。自分たちの日常にも潜んでいそうな違和感を、丁寧に、でも容赦なく描いていく。 新社会人になってから、こういう「世界とはなんなのか」みたいな根本的な問いを突きつけてくる作品に飢えていたのかもしれない。職場では言えない思考に、ここで解放されたというか。ページをめくる手が止まりませんでした。女性を主人公にした初の長篇とのことですが、今後の作品も絶対チェックします。

感想

新潮社の『夏帆』を読み終わりました。正直なところ、このタイトルと表紙だけでは内容が全く想像できず、かなり慎重に選んだ一冊です。 26歳の絵本作家・夏帆が初対面で男性から言われた衝撃的な言葉。そこから始まる物語は、私が予想していた方向へは進みません。奇妙な出来事の連鎖に巻き込まれる彼女の視点から、読み進めるたびに世界の見え方がするりと変わっていく感覚がありました。 著者の独特な世界観と、平坦すぎず派手すぎない文体が心地よく。主人公が「この世界の出口を見つけなくてはならない」という切実な想いは、ただ物語の装置ではなく、現代を生きる私たち自身の問い掛けのようにも感じました。 完璧さを求められがちな世界で、少しばかり好奇心の強い女性の物語。仕事で疲れた日の読書にこそ、新しい視点をもたらしてくれる素敵な一冊だと思います。

感想

医療の現場では毎日、人間関係の複雑さや予測不可能な事態に直面しています。だからこそ、この作品の不可思議で予想を裏切り続ける世界観に、すっかり引き込まれてしまいました。 26歳の絵本作家・夏帆が、初対面の男性からかけられた衝撃的な言葉をきっかけに、周囲で奇妙な出来事が次々と起こっていく。その展開のテンポの良さ、そして登場人物たちの不思議な魅力が本当に素晴らしい。 普通なら「なぜこんなことが?」と困惑してしまうような状況設定なのに、読み進めるほどに「あ、そういうことか」と納得させられる。著者の創意工夫の素晴らしさを感じます。また、夏帆というキャラクターの醒めた視点と、彼女の純粋な好奇心のバランスが絶妙で、つい応援したくなってしまう。 気軽に手に取った本でしたが、予想外の面白さに一気読みしてしまいました。医療の仕事で疲れた心を、この世界観がふんわりと包み込んでくれるような、不思議で優しい読後感が残っています。こういう本との出会いがあるから、読書っていいなあと改めて思いますね。

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