遠い声、遠い部屋

遠い声、遠い部屋

トルーマン・カポーティ / 村上春樹 / 村上 春樹

出版社:新潮社 出版年月日:2026/02/28

新潮社 | 2026/02/28

3.00
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

村上春樹の新訳というのに惹かれて手に取ったんですが、これは本当に素晴らしい。カポーティのデビュー長編とは思えないほど完成度が高くて、一気読みしてしまいました。 南部の古い屋敷を舞台にした、どこか夢の中にいるような物語。13歳の少年ジョエルが父との再会を待ちながら過ごす時間の中で、不思議で魅惑的な人間関係が紡ぎ出されていく。現実と幻想の境界があいまいなまま、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。 何が素晴らしいかというと、その語り口の美しさ。村上春樹の訳文もあるんでしょうけど、古い時代のアメリカ南部の雰囲気や、思春期特有の感受性の豊かさが本当に丁寧に描かれている。仕事で疲れた脳みそも、この独特の世界観にはすんなり没入できました。 短編集みたいに読みやすい長さなのに、読み終わった後の余韻がすごく深い。気軽に読める小説を探してる人にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

感想

カポーティのデビュー作ということで期待を込めて読みはじめたんですが、正直なところ期待値と現実のギャップが大きかった。確かに文体は洗練されていて、村上春樹の新訳も読みやすいんだけど、物語の進行がもどかしい。 13歳のジョエルが父に会いに南部の屋敷を訪れるという基本設定は興味深いし、登場人物たちも個性的なんです。でも中盤以降、話が散漫になっていく感じがして。ミス・エイミーやアイダベルとの関係も、もっと掘り下げてほしかった部分が多い。幻想的な雰囲気を売りにしているみたいですが、それが曖昧さや不明瞭さに繋がってしまっている気がします。 古典として評価が高いのは理解できますし、文学的な価値があるのも認めます。ただ、現代の読者にとって、特に僕たちの世代にとってはアクセスしにくい作品なのかな。歴史的重要性と読む満足度は別物なんだと改めて感じました。

感想

村上春樹の新訳で『遠い声、遠い部屋』を読みました。正直なところ、期待と現実のギャップがある一冊でした。 確かに、カポーティのデビュー作というだけあって、文章は美しく、南部の屋敷を舞台にした不思議な雰囲気は最後まで引き込まれます。主人公ジョエルの心情描写も丁寧で、少年から大人へ移行する微妙な心境がよく表現されていると思います。 ただ、個人的には物語の展開が少し曖昧に感じてしまいました。謎めいた要素が多いのは文学作品としての魅力なのかもしれませんが、新社会人で疲れているときに読むと、「結局どういう話だったのか」という感覚が拭えません。それが作品の深さなのか、単に自分の読解力不足なのか判断がつかないところが、レビューを参考に本を選ぶ僕としては少し困ってしまいます。 新潮文庫は読みやすく、翻訳も現代的で申し分ありませんが、クラシック文学入門としては難度が高めかもしれません。文学が好きな人にはぜひ勧めたい作品ですが、僕のような人間にはちょっと手強かったというのが正直な感想です。

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