雪国

雪国

川端 康成

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2013/06/21

KADOKAWA | 2013/06/21

3.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

最近、話題の作品を改めて読み直してみようと思い立ち、川端康成の『雪国』に手を取りました。古い作品ですが、こういった古典は時代を超えて多くの人に読まれ続けるだけの理由があるものです。 読み進めてみると、雪国という舞台設定の美しさ、そして登場人物たちの複雑な心理描写に引き込まれていきました。島村という男の「無為の孤独」を保とうとする姿勢と、彼に一途に向き合う駒子の対比が実に見事です。人生において純粋な感情と現実的な立場のズレがどのように悲しみを生み出すのか、著者の筆致から自然と伝わってきます。 このKADAWAKAの文庫版は解説も充実していて、外国人翻訳者の視点による解説なども興味深く読めました。活字も読みやすく、高齢者にも親切な作りになっています。人生経験を積んだ今だからこそ、この作品の奥行きをより深く味わえるような気がします。文学愛好者なら一度は手に取るべき一冊でしょう。

感想

川端康成の『雪国』を読み終わりました。文豪の代表作とのことで、期待を持って手に取りましたが、正直なところ複雑な感想です。 雪国の情景描写は確かに美しく、温泉場の風情が目に浮かぶようです。駒子という女性の一途さと、島村という男の無為な態度の対比も、人生の悲哀を表現する工夫なのでしょう。ただ、島村という人物にどうしも共感できません。駒子の純情に向き合わず、別の女性にも気を引かれるその姿勢は、「無為の孤独」という言葉では正当化できないように思えてしまいます。 文体も深く、何度も読み返す箇所がありました。解説も丁寧で、著者の意図を理解するのに役立ちます。ただ、その意図を理解できたからこそ、余計に物語の展開に釈然としない思いが残るのです。 古典として大切にされるべき作品であることは理解します。しかし、人生経験を重ねた者として読むと、モヤモヤが消えません。教養として読むべき一冊ではありますが、心から推奨するには至りません。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ