かなちゃんの本棚
語るに足る、ささやかな人生

語るに足る、ささやかな人生

駒沢敏器 風鯨社 2026年3月10日

感想

絶版になっていた作品の復刊ということで、興味を持って手に取りました。アメリカの小さな町を巡る旅を通じて、様々な人生に出会う本編の構成は、エッセイとしてはそれなりに引き込まれるものがありました。 ただ、読み進めていて感じたのは、著者の視点がどこか上から目線のように見えてしまう部分があるということです。「語るに足る人生」というタイトルが示すように、スモールタウンに住む人々の人生を肯定的に描きたい意図は伝わるのですが、都会との対比の仕方や、人物描写の深さにやや物足りなさを感じます。 管理職として日々様々な立場の人間関係を築いている身としては、もう少し複雑で多角的な人間描写を期待していました。全体的には丁寧に書かれた作品ですが、新鮮さや問題提起の強さに欠けるというのが正直な印象です。今の時代に改めて読む価値があるかどうかは、読み手の期待値次第だと思われます。

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