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薬屋のひとりごと 6

薬屋のひとりごと 6

日向夏 主婦の友社 2016年11月30日

感想

シリーズ6巻とあって、この辺りからは既存読者向けの内容になっているのだろう。主人公・猫猫と皇弟・壬氏の関係に決着がつきかけるという大きな転機を扱っているようだが、正直なところ物足りなさを感じた。 ライトノベルとしての軽妙な掛け合いや推理要素は依然として機能していると思う。しかし、感情的な葛藤や人間関係の複雑さを描く重要な局面において、どうにも表面的な印象が拭えない。皇弟という立場と個人の想いの葛藤は題材として悪くないのだが、その心理描写の深さが期待値に達していない気がする。 キャラクター間の化学反応や会話のテンポは変わらず秀逸だ。ただ本来、この巻で大きく物語が転換する局面のはずなのに、なぜか通過点という感じで終わってしまう。続きが気になる作りにはなっているものの、一冊としての完成度では少し弱い。 既にシリーズを追い続けている方なら読む価値は十分あるが、この巻で判断するなら「無難な続編」といったところか。次巻以降の展開に期待する読者向けの一冊だと言えよう。

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