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祭りの場・ギヤマン ビードロ

祭りの場・ギヤマン ビードロ

林 京子 / 川西 政明 講談社 1988年8月4日

感想

原爆という重いテーマに向き合った作品と聞いて、正直なところ少し覚悟を決めて読み始めました。林京子の代表作ということで、どんな作風なのか興味もありました。 長崎での被爆体験を描いているのですが、期待していたよりも淡々とした語り口が特徴ですね。派手な表現や感情的な描写ではなく、むしろ抑制された筆致で歴史的な出来事に向き合っているという印象です。それが逆に、読み手に深い考察を促すという狙いなのかもしれません。 ただ、正直に言うと、その抑制された表現が私にはやや遠く感じられました。連作形式になっているので、複数の視点から同じテーマにアプローチしているのは面白いのですが、一つ一つの作品がどこまで心に響いたかというと、微妙なところです。 文学的な価値や歴史的な重要性は理解できます。ですが、気軽に読書を楽しみたい自分のスタイルとしては、もう少し読みやすさや感情的な引っかかりがあると嬉しかったかなというのが本音です。戦争文学の良質な一冊であることは確かですが、すべての読者に強く推せるかというと、そこまでではないかな、という感じです。

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