阿部の本棚
憂国のモリアーティ 22

憂国のモリアーティ 22

三好 輝 / コナン・ドイル 集英社 2026年3月4日

感想

「憂国のモリアーティ」シリーズを1巻から追い続けていたので、今巻も手に取りました。ヘルダーというキャラクターに焦点を当てた展開は、これまでのモリアーティ中心の物語から一転した視点の転換として興味深かったです。 ただ、正直なところ盛り上がりにやや欠ける印象は否めません。ヘルダーの過去と現在、そして彼が見出す「生きる意味」というテーマ自体は悪くないのですが、その描き方が少し淡白に感じてしまいました。キャラクターの内面に深く入り込む描写がもっとあれば、より引き込まれたはずです。 一方で、「飴」という謎の脅威の提示とそれに対するウィリアムの反応は、シリーズ全体の大きな転機を予感させます。ここからどう展開していくのかという期待感は残りました。 作画のクオリティは相変わらず高く、特にロンドンの風景描写は見ごたえがあります。ですが、全体的には次巻へのつなぎの巻という感じが強く、単体としての完成度はいまいちかなというのが率直な感想です。シリーズ追読者としては続きが気になりますが、この巻だけで評価すると、そこそこといったところでしょうか。

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