阿部の本棚
カウンセリング入門

カウンセリング入門

河合隼雄 協同出版 1981年4月1日

感想

新社会人になって対人関係の重要性を痛感し、手に取った一冊です。カウンセリングの基礎知識を幅広くカバーしており、入門書として及第点といったところでしょうか。 カウンセリングの歴史、主要な理論、実践的なスキルまで、わかりやすくコンパクトにまとめられています。新書というフォーマットの制約がある中で、概要を掴むには十分な内容だと感じました。職場の人間関係を改善したいという動機での読書でしたが、そうした実用的なニーズには応えてくれます。 ただ、既に人文書を多く読んできた身としては、深掘りが物足りなく感じてしまいました。各章が駆け足で進み、もう少し理論的背景や事例研究に紙幅を割いてほしかった。カウンセリングという領域の奥行きや複雑さが十分に伝わってこないのです。 入門者向けとしてのミッションは果たしていますが、そこからの次のステップに向けて、より専門的な著作へ導く道標としても機能していない印象。概説書としては合格点ですが、読書家としてはやや物足りないというのが正直な感想です。

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