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高市早苗という病

高市早苗という病

適菜収 ベストセラーズ 2026年7月29日

感想

政治スキャンダルについて、これほど体系的かつ説得力をもって論じた著作は珍しい。本書は単なる暴露本ではなく、一連の疑惑と報道を丹念に繋ぎ合わせ、政治家の資質とは何かを問い直す社会批評として機能している。 新社会人として組織に属するようになると、虚偽や隠蔽がいかに組織を蝕むかが身に沁みてわかる。その観点から本書を読むと、国家規模でそれが何十年も続いていた事実の重大さに愕然とする。著者は感情的に流されず、報道ベースの事実を冷徹に積み上げていく手法が秀逸だ。 ただし、既に報道で目にした内容も多く、新たな情報の量としては限定的かもしれない。しかし情報を整理し、一つの物語として消化させてくれる価値は大きい。民主主義社会の市民として、権力構造を理解したいなら必読の一冊である。人文・思想の領域からも、現代日本を考察する重要なテキストとして位置づけられるだろう。

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