徒然草(三)

徒然草(三)

三木 紀人

出版社:講談社 出版年月日:1982/05/01

講談社 | 1982/05/01

3.33
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

新社会人として働き始めると、時間に追われる日々の中で自分の人生について考える余裕が失われていく。そんな時に『徒然草』の第三巻を手に取ったのは、中世の兼好法師の思索に触れることで、心を落ち着けたいという思いからだった。 本巻の中核をなす第137段「花はさかりに」は、まさに評判通りの傑作だ。美しさの最盛期にこそ儚さを感じるべきという兼好の言葉は、現代を生きる我々にも強く響く。評価社会の中で「成功」を求め続ける生活を送る中で、その瞬間の価値を見落としていないかと問い直してくれる。 また、第175段の酒に関する段では、具体的な生活場面を通じて人間本性が浮き彫りにされており、実用的でありながら深い思索性を兼ね備えている。長短さまざまな段落の中には、単なる知識の羅列に見えるものもあるが、その行間に兼好独自の人生観や世界観が沁み込んでいるのが素晴らしい。 古典でありながら、社会生活の中で迷いや疲れを感じる現代人にこそ必要な一冊だと感じた。

感想

『徒然草』第三巻を読み終わって、やはり古典というのは難しいという感覚を改めて強くしました。 この巻は第111段から182段までを収録していて、特に第137段の「花はさかりに」は確かに秀逸です。美と無常について語る部分は、何度も読み返してしまうほど引き込まれました。また第175段で酒について具体的に述べている箇所も、日常生活に根ざしていて理解しやすかったです。 ただ正直なところ、全体としてはやや単調に感じてしまいました。段によってボリュームがばらばらなので、流れを掴みにくい部分があります。確かに行間に兼好の個性が見え隠れするという評論家の指摘も分かりますが、それを読み取るにはもっと深い読み込みが必要なのかもしれません。高校生の自分が一度読んだだけでは、中には知識をそのまま記録した段は、ただの情報として流してしまいます。 古典として価値があることは理解できますが、現代の私たちにとって何を語りかけているのか、もう少し明確に感じたかったというのが正直な感想です。もう一度、時間をかけてじっくり向き合ってみる価値はありそうですが。

感想

講談社の文庫版『徒然草』第三巻を読み終わりました。古典の教養を深めたいという思いと、時間がある時に話題の本をチェックしたいという習慣から手に取ったのですが、正直なところ、期待と現実のギャップを感じました。 確かに第137段「花はさかりに」は圧巻です。美と無常について述べられた部分は、50歳を迎えた身として、人生の季節感について改めて考えさせられました。また第175段の酒に関する記述も、兼好の視点が具体的で興味深い。 しかし全体を通して読むと、段によってばらつきが大きいのが難点です。単なる知識の羅列に見える箇所も少なくなく、現代人の目には退屈に映ることもあります。古典の理解を深める意義は十分にありますが、管理職という忙しい立場で時間を割いて読むほどの充実感を得られたかというと、微妙です。 岩波文庫などの他の版と比較検討する価値はあるかもしれません。決して悪くはないのですが、特別に推奨したいほどではないというのが正直な感想です。

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